tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バイデン発言の提起するもの?

2016年08月17日 11時04分03秒 | 国際関係
バイデン発言の提起するもの?
 つい先月ですが、「 先進国とはなにか」を、前々回は「 戦争における先進国と途上国」を書かせていただきました。
 近頃、先進国の社会的劣化ではないかと思われるようなことがたびたび見られるからです。

 そこに、今回は、アメリカのバイデン副大統領の発言です。選挙戦の中でのえげつないやり取りの一端かもしれませんが、世界の最先進国をもって任ずるアメリカの副大統領の発言としては、正に耳を疑うものでした。

 日米の外交の場や国連の場といったところでは「日本の憲法は我々が書いた」などと詳細の分からない伝聞を言うことは決してないでしょうから、内々の選挙戦という気の緩みもあっての事かと思いますが、今、要人の発言などは(場合によって要人でなくても)一瞬にして世界中に伝わる世の中です。非常識のそしりをまぬかれないでしょう。

 それはそれとして、問題は、この発言を聞いての日本人の反応が、また残念ながら、必ずしも思慮深いものばかりではなく、特にネット上のやり取りなどは、アメリカの選挙戦並みのえげつないものが数多くみられることで、誠に嘆かわしい限りです。

 論争点は、バイデン発言に関連して、日本国憲法は「アメリカ製か日本製か」といったことが多いようですが、憲法でも、車でもスマホでも(例えがあまり良くありませんが)利用者はその製品が良いから使っているのではないでしょうか。

 日本国憲法の作成には、日米の多くの人が関与しているのでしょうが、問題はその中身をどう考えるかが、本来我々が考えるべきことでしょう。

 日本人は古来、そういう点では、非常に賢明に、そのもの、そのことの良し悪しを判断してきています。もちろん、欧米の植民地競争の真似をしようと一周遅れで参加して大失敗などという誤りも犯しましたが、冷静になれば、日本人はきちんと身を処してきているように思います。

 長い時間をかけて、日本に定着している先人のいろいろな教えを見れば、それは、世界の優れたものを、確りと選別して受け入れ、その良さを日本流に解釈し、また翻案して、日本の文化、人々の生活に即したものと理解し言い伝えています。

 日本の 伝統文化から生まれたものに加えて、孔子の教え、釈迦の教え、キリストの教えなどなど、日本人は日本流に理解し、近くはクラーク先生の「少年よ大志を抱け」まで、日本人の思想信条になっているものはいくらでもあります。

 本当に大事なのは、その言葉が、いつの時代になっても役に立ち続けるものかどうかという判断がきちんと出来るかどうかで、それは自分自身の問題です。
 アメリカ製か日本製かなどという論争で、日本人自身が劣化しないことを切に願うばかりです。

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